マイホームを購入する事を考え始めるのは、自分の人生に何かしらの変化や先の将来を考えるタイミングが関係している時です。ただ、「家が欲しい」と衝動的、感情的な思いに突き動かされて行動を起こすと、後の生活に大きな問題を抱えるきっかけにもなりかねません。
住宅の購入を思い立ったときに、いまいちど思い返すと良いのはどんなことでしょう。そして、購入後の将来にどんな影響が有るかを、あらかじめ購入年齢と一緒に併せて考えてみましょう。
○年齢が若いうちに買った方が良いという固定観念
「どうせ住まいは死ぬまで必要な物だから、年齢が若いうちに準備しておいた方が良い」。この考え方は、実際に購入する人の環境や家族構成、既婚・未婚などの条件によって当てはまる場合と当てはまらない場合があります。
●子育て世帯のマイホーム価値
子育てに頑張っているパパ、ママの願いは「子どもをのびのびと育てたい・良い教育環境で生活したい」という事でしょう。子どもが小さいならなおの事、賃貸住宅で周囲に気を遣いながらの生活を強いるより、元気に明るく育てたいですね。
ただ、子どもが小さいうちにマイホームを購入したいという漠然とした思いではなく、自分の家をどこに建てたいか、どんな環境(学校区や治安、通勤通学の利便性)だからその地域に住みたいか…という決め手となるポイントをきちんと定めて購入すれば、年齢に拘わらず、満足のいく子育てとマイホームを実現できるでしょう。短絡的に「良い物件を見つけた」「同級生の●●さんが家を建てた」という衝動が元で、家族の為という理由が後付になっていませんか。一度購入すれば、手放すことも引っ越すことも難しくなるのがマイホームです。
●金利が低いうちに買うという焦り
文字通り、住宅ローンの超低金利時代が続いていますし、不動産関連会社としても今の金利状態は伝家の宝刀と同様、正直言えば怖い物無しの殺し文句のようなものです。性質上、いつ金利が上昇に転じてもおかしくありませんから、是非住宅ローン金利の低いところで話をまとめたいと願っています。それが、売り手買い手双方にメリットとなるからです。
ただ、金利が上がりそうだという世の中の噂や、経済・国政から導く指標に踊らされて「数ヶ月後までに購入しなければ」と焦るような気持ちでは、購入しない方が良いでしょう。マイホーム購入の為に頭金となる預貯金を準備する気持ちを持つ前に、勢いや憶測で購入してしまうと後に「あわてて買ったから…」という言葉が後悔のたびに出てくる事になりかねません。
○リタイア近い年齢でも住宅を購入して良いか
仕事や家事に日々頑張って来て、子どもが独立した後にマイホームを購入するというリタイア年齢に近い高齢者の住居購入も増えてきています。この年齢になると、子どもは育ち上がっていて、部屋を多く準備する必要もなく、無理に大きな家を検討しなくて済みます。
また残りの人生を快適に過ごすために、設備や工夫を住宅に施すことで満足度が高くなります。
個人の思いや事情によってマイホーム購入のメリットは異なります。年齢で一概にくくることは出来ませんが、生活をよりよくする為の大きな要素としてマイホーム購入を考えましょう。
〔著 者 長 岡 利 和〕