マンションとアパート 集合住宅の住まい方と違い

一戸建て住宅とアパート暮らしを比較すれば、それぞれの住まい方は全く異なりますね。複数の家族と共有する建物で生活をするか、玄関一つで一世帯が生活するか。注意するべき箇所と生活の満足度、費用の問題に至るまで、生活そのものが違ってきます。
では、マンションとアパートの違いって何でしょうか。集合住宅で生活するという点では二つに共通する点は非常におおいように感じますが…その違いを考えてみましょう。

○マンションとアパートの線引き方法は
アパートはマンションと比べて、若干建物自体に見劣りがするというイメージを抱いている人も多いでしょう。ただ、この二つを明確に分ける定義というのは、実は存在しないのです。

●構造をもとに建築主や貸主が決める?
一般的に、アパートと呼ばれる建物に多いのが「木造・プレハブ・軽量鉄骨造」。そして、マンションに多いのは「鉄骨鉄筋コンクリート・鉄筋コンクリート・鉄骨造」です。
建物の構造だけを見てみれば、「アパートよりマンションのほうが丈夫」という印象を受けるでしょう。このイメージがそのまま「アパートの見劣り」につながっているようです。
ただし、アパートとマンションの定義は前述したとおり明確なものがないので、貸す側の事情によっては、軽量鉄骨造の集合住宅がマンションとして賃貸物件に並ぶこともあります。

○防犯意識重視ならマンションを
住まいの形態を考えてみましょう。アパートは集合住宅ではありますが、玄関はそれぞれの家ごとに設置されていますね。共用階段や廊下を抜けて、自分の住まいまで一直線です。
マンションの場合は、自分の家の玄関につくまでにエントランスの入り口を通ります。インターホンを鳴らして開錠しなければマンションの建物に入ることができないという点では、防犯対策に一役買っているといえるでしょう。
また、アパートは2~4階建てのものが多いですが、マンションなら構造上数十階建ても珍しくありません。外窓からの侵入防止という面でも、マンションのほうが優勢です。

○子育て世代の悩みどころ 騒音と物件家賃
小さなお子さんがいる家族が、こぞって希望するのが「アパートの1階」です。理由はただ一つ。
「賃料が安くて騒音を気にせず生活したいから」。
セキュリティを考えればマンションに住みたいが、管理費や賃料を見るとアパートのほうが現実的で、子供が騒いだり飛び跳ねて下階の住人に迷惑をかけないために、という物件選びをする世帯が非常に多いです。

●アパートでも設計次第で低騒音に
マンション、アパートともにいろんな物件を見て借りる先を検討するでしょうが、アパートだから音が漏れる(騒音がする)というというわけでもありません。生活音が気になるなら、軽量鉄骨の物件は避けたほうがいいでしょう。軽量鉄骨は周囲に震動が伝わりやすく、音が響きやすいといわれています。
しかし、間取りや設計によっては、騒音がそれほど気にならないというアパート物件もあります。ねらい目は角部屋です。隣と接する側に水回りや客間を配置し、外壁にそってリビングを配置している物件なら、隣に話し声が筒抜け…というようなことは少なくなるでしょう。
マンションとアパートを比較すると、それぞれにメリットやデメリットがありますが、住まう家族がどの点を優先するかによって、物件探しの焦点も変わってきます。
ゆずれない条件を明確にして物件を見ると、物件選びもスムーズにいくでしょう。

【著  者   長 岡  利 和】 


投稿日

カテゴリー:

最新記事一覧