マンションを所有している場合にかかる固定資産税とは

固定資産税とは?

マンションを購入した場合、資産を所有するということは毎年土地と建物にかかる固定資産税を納付する必要があります。分譲マンションにかかる固定資産税は、一軒家を購入する場合と少し考え方が違います。

固定資産税は土地、家屋、償却資産などに対して課せられる税金で、納税義務者になるのは資産の所有者です。税額は固定資産の価格に基づいて計算されます。

固定資産税の計算方法

土地や建物についての固定資産税は、市区町村で管理されている「固定資産課税台帳」に基づいて算出されます。固定資産課税台帳には記載されている事項は次の通りです。

・土地家屋の所有者の氏名と住所

・土地家屋の地番、地積、地目、家屋番号、床面積、構造等の属性情報

・宅地の区分

・固定資産税評価額

・固定資産税課税評価額

・固定資産税額

固定資産税を算出する際に使用される税率は市町村によって異なりますが、標準税率は1.4%と定めがあるため、「課税標準額×税率(1.4%)=固定資産税額」という計算式によって算出されます。

土地の課税標準額の計算方法

土地課税標準額に重要になるのは「路線価」と「評価額」です。路線価は用途や立地等を加味して国が決定する土地の値段です。その路線価を基にして、奥行きや形状、間口などの状況によってどのくらいの価値があるかを金額で表したものが評価額です。

この評価額に特例措置などを適用して課税標準額を決定し、市区町村ごとの税率(標準税率は1.4%)を掛けて固定資産税額を算出します。

建物の課税標準額の計算方法

建物の課税標準額も評価額が基になるところは土地と同じです。ただ、家屋の評価額の算出は「再建築価格×経年減点補正率=課税標準額」という計算式を用いて行われます。

再建築価格は、一から再度家屋を同じもので建てた場合にかかる建築費用です。経年減点補正率は建物の価値の減少率です。この計算式で算出された評価額に特例措置を適用して課税標準額を決定し、ここに市町村ごとの税率を掛けて固定資産税額を算出します。

固定資産税は3年ごとに見直しがある

固定資産税は一度決まればその金額をずっと支払うというわけではありません。3年に1度評価替えが実施され、一度全ての固定資産が見直されるため時勢に合った税額が適用されます。

分譲マンションの「土地」「家屋」の考え方

分譲マンションの固定資産税は考え方が少し違ってきます。分譲マンションは専有部分である自分専用の住宅部分と、共有部分である他の住人と一緒に使うことになる敷地部分があるからです。専有部分は家屋としての固定資産税の算出が行われますが、共有部分については、敷地全体に対する専有部分の割合に応じた負担を行う必要があります。

マンションに対する軽減措置は?

固定資産税では住宅用の土地や建物に対して軽減措置を設けています。新築マンションを購入した場合には、要件を満たすことで建物部分の税額については5年という期間の間2分の1へ軽減されます。土地部分については中古マンションを購入した際にも適用となります。

マンションを購入の際には固定資産税納付も視野に

マンションは購入したら月々のローンの支払いだけではありません。マンションの土地部分と建物部分には固定資産税がかかります。納付は年4回に分けるのか、一括納付かを選べます。市町村によって納期が異なりますが、毎年納付する義務がありますので遅れないように納付するようにしましょう。

【著者 長岡 利和】


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