住宅購入の際に、一番初めに選択するのは「マンションを購入するか一戸建てを建てるか」です。賃貸アパートに住んでいた時間がながければ、一戸建てへのあこがれが募ることも簡単に想像できますし、ワンランクアップした気分の分譲マンションにも魅力を感じる部分があるでしょう。
それぞれの良さとメリットを充分に理解して、住まう家族にとって望ましい環境を整えやすいほうを選びましょう。
○一戸建て住宅購入のメリット
まず、一戸建ての家を購入した場合、その家に家族以外だれも出入りしないというのが前提となります。玄関から一歩入れば、そこは自分たち家族だけの空間です。
●メリット1 思い通りに間取り変更ができる
一戸建てを購入すれば、その所有者が世帯主となりますので、どこをどのように変更・改装・リフォームしても自由。家に対する思い入れが強い人ほど、こだわりのある空間を実現したいという思いに駆られるでしょう。
賃貸物件は、改装や変更箇所が生じる場合、その都度大家さんと管理会社に連絡を取って、可否の伺いを立てなければなりません。中古物件を購入しても、思い通りにリフォームして住まいやすさをとことん追求することができます。
●メリット2 用途の縛りがない
世帯主が所有する家ですから、どのように使ってもその持ち主の自由です。一部マンションでは、専有部分に不特定多数の人が出入りするような事案（少人数自宅スクールやサロンなど）を禁止しているところもあります。
その点、自宅を自由に使うことができる一戸建ての住まいなら、自宅を改装して、最近流行の身ミニ教室や店舗としての活用法もあり、夢が広がります。
●メリット3 上下階への騒音を心配しなくていい
特に小さい子供がいる世帯は、この問題が大きくのしかかるでしょう。無邪気にはしゃぐ子供の出す足音や大声に、終始ひやひやしながら過ごさなくていいというのは、とても重要なポイントです。
○マンション購入のメリット
集合住宅の専有部分を住まいとする分譲マンションは、強固で耐震性に優れているというイメージがあります。危険を回避するということに着目すればマンションに分があるようです。
●メリット1 防犯対策への安心感
エントランスを抜けるために、専用鍵で開ける自動ドアという一つセクションがあるだけで、空き巣被害や不審者の侵入を妨げる効果が期待できます。自宅と二重でロックすることができるのは、防犯上非常に有効でしょう。
●メリット2 景観を楽しむことができる
一戸建てでは通常、到底叶わない4階以上の景色をマンションなら実現することができます。中心部や市街地型、またはゆったりと過ごすための郊外型マンションのどちらでも、景観を楽しみたいという人には高層階での住まいが魅力的に感じるでしょう。
一戸建ても分譲マンションも、それぞれの良さがあります。ただし、自由に使うことができるとはいえ、隣近所へ最小限度の配慮は怠らないようにしましょう。近くに住む所有者同志、良好な関係を築くことで、さらに快適に過ごすことができますよ。
【著 者 長 岡 利 和】
