購入する住まいは一戸建てがいいか、マンションがいいか。所有する住宅の形とメリット、デメリットを考え始めると、戸建とマンションで行ったり来たり…。どちらにも魅力があり、ウイークポイントもあります。
マンションを購入しようと決意する人の多くが、セキュリティ性能の高さとスタイリッシュな住まい、そして「購入価格の割安感」を理由としてあげます。
ただ、マンションを購入する時に気を付けておかねばならないのが、毎月支払いにいくら必要かということです。これは住宅ローンだけではない、プラスの固定費を意味します。固定費支出が確定しているのであれば、利息など流動的な部分に必要となる費用をどうやって少なくするか…。
これによってマンションの購入総額そのものが大きく左右されます。
○マンションのランニングコストと頭金
マンションには共用部分が多く存在します。エントランスに廊下、エレベータ、共同利用施設などがありますね。この維持管理をするために管理費が毎月必要になります。
専有部分は、敷地割合に応じた土地評価価値とその専有空間の所有権者となりますが、車を持っていれば駐車場代が住まい続ける限り、ずっと必要になります。
そして、マンションにかかる固定費の内、修繕積立金の支出がその後の住まいに大きくかかわります。
●マンション購入価格だけで計算するのはNG
マンションを購入して住み続ける間には、購入した物件の価格にプラスして、管理費と修繕積立金、駐車場代がかかるのは致し方ありません。建物の快適性と維持管理、将来の改修を見込むなら、それぞれの固定費支出は安定した建物の存続のために必要不可欠です。
この数万円単位でのしかかるランニングコストを払い続けながら、住宅ローンの返済を行うことになります。土地取得費用が掛からない分、マンションのほうが購入価格をお得に感じる人もいるかもしれません。
しかし、固定費とローン、このダブル返済にかかるトータルのお金はいくらくらいになるかを現実的に計算してみると、おのずと支払総額が見えてきます。
●固定費と購入価格から必要な頭金を
マンションの購入支払総額は、住宅ローンの金利によっても大きく変わります。借入が少ないほうが、また返済期間が短いほうが、より金利の上乗せ分を払う必要がないため、トータルで購入費を抑えることにつながります。
マンションの場合も、一戸建て住宅購入時と同じく、月にいくらずつ返済可能かという点は大切です。それに加えて、ローン返済分の月支払上限を決めて返済期間に乗じ、総期間で返済する額と購入価格の差額が頭金に必要だと考えるとよいでしょう。
もし、返済可能な月の額と頭金の額に少しでも無理を感じたら、オーバーローンになる可能性があります。支払返済できる金額から準備する頭金を想定して、購入可能なマンションの金額を算出しましょう。
【著 者 長 岡 利 和】