一戸建てを一括支払で購入することは可能か?

住宅ローン融資を利用することを前提に、家の購入を検討する人が圧倒的に多いでしょうが、低金利時代とはいえ、この金利が遠い将来まで続く保証もありませんし、出来ればローンの借入額を少なくしたいという考えを持っている人もいるでしょう。

日本は、新築着工数と空き家の数が多く、住宅を生かす資産として考えるに足らない傾向があります。新築したまっさらな家を引き渡して、誰かの所有物になったその瞬間、住宅資産価値そのものはおよそ2割程度減少するという通例があり、建物自体の価値を、その建物ごとに正当に評価しない傾向がつよいのも原因の一つでしょう。
ならば、支払を一括で終えられるような、資産価値の低い一戸建てを、自分のためにお得に購入する=中古住宅 ならば、購入費を一括返済することも夢ではないかもしれません。

○中古住宅の価格と実際の住宅価値
日本の住宅に対する資産価値は、その建物の構造や躯体、設計や間取りなどに応じた償却期間を大前提としています。
不動産所有者には固定資産税が課税されますが、この固定資産税を算出する基準となる、固定資産税評価額において償却方式を取っているため、実際にはまだまだ使用できる住宅も、一定期間を経過すれば資産価値そのものがゼロ(課税時にはおよそ1割程度の評価額)になってしまう計算です。

●中古一戸建て住宅はお得かつ土地付きも
固定資産税の算出では、木造住宅がおよそ20年経過時で「資産価値なし」という評価に至ります。中古住宅市場を見ると、外装や主要部分に修繕が必要となる築10年を目安に、一戸建ての価格が一段階低く評価されるという傾向を強く感じます。
仮に新築時2000万円の上物(建物不動産)があった場合、この建物を10年後に売却すると、およそ2000万円程度の価格が付くことがあります。同等に評価されているように見えますが、中古住宅の販売形態は、その多くが土地プラス建物の合計です。
人気のある立地なら、さらに高い価格になることもありますが、坪単価によって、おおよその中古販売価格が決定し、その際に建物に対する評価は非常に割合が低くなると思っても良いでしょう。

〇実際の購入価格よりも価値ある一戸建てを
中古住宅を購入して、リフォーム・リノベーションすると、同じ一戸建てを所有するにも圧倒的にコストダウンを図れます。
土地と建物の同時購入で、しかも抑えた予算分をリノベーション費用に回したとしても、ローンを組む際は元金が少額になるので、返済が非常に楽になります。

●中古物件を土地・建物それぞれの購入計画に切替所有権移転を前提にして、上物(建物)分だけ一括購入して、土地代金をローンで返済するというのも方法の一つでしょう。土地には消費税が課税されませんので、購入費割合算出額がそのまま元金となり8%の負担減をか脳にすることができるかもしれません。
売主と金融機関、双方に相談して、購入費大幅ダウンを実現する方法を探ると、一戸建て住宅一括返済も夢ではありません。
【著  者   長 岡  利 和】


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