住宅ローンの頭金は必要?繰り上げ返済とどちらが良い?

購入価格の2割は必要?

マイホームを現金一括で購入する人はごくわずかで、多くの人が最長で35年という住宅ローンを組んで毎月返済していくことになるでしょう。住宅ローンの購入を検討している人であれば、購入価格の2割以上の頭金を準備するほうが良いという話も耳にしたことがあるでしょう。

頭金は「返済0カ月目の繰り上げ返済」

住宅ローンを組む際に一度きりになる頭金という存在は、出来る限り大きくたくさんと限界まで払おうとする人も中にはいるでしょうが、実は繰り上げ返済によって代用することも可能です。

頭金を400万円入れた状況と、頭金0円で返済開始1か月後に400万円繰り上げ返済を行った状況は支払い額に変化はほとんどありません。数年先送りにしたとしてもその効果が減少するということもほとんどありません。

頭金を準備することで発生するデメリットも

返済期間を痰塾できるというメリットを考えて預金をマイホーム購入の頭金に充てたものの、せっかく返済期間が短くなって喜びもつかの間、手元の貯金が極端に減ったことで資金繰りが悪化し、万が一の際に困ることになれば何の意味もありません。

マイホームを検討する時期というのは、結婚や出産、子育てなど様々な出費が重なる時期でもあるでしょう。変化する生活では収入や支出の変動が激しい時期でもあり、このようなライフプランの波を乗り越えるためには手元資金も必要になるでしょう。

頭金はゼロでもよい?

ライフプランの中での資金繰りを重要視するのであれば、頭金0円でもいいのではと考える場合もあるのかもしれません。たしかに状況次第ではそれも検討範囲でしょうが、金融機関によっては頭金の額によって金利が変動する場合もあるため注意が必要となります。無理に貯金を頭金に充てることはお勧めできませんが、ローン利用の条件に関わる場合は検討することが必要になるでしょう。

どうしても頭金を準備したい人にオススメの貯蓄方法

マイホームを購入する際には、頭金以外に登記費用、ローン手数料、不動産取得税など様々な諸費用を必要とします。仲介物件であれば仲介手数料も発生するでしょう。頭金の準備は計画的に行うことが望ましいのですが、実際いつマイホームを購入するか具体的な計画が出来ていないという場合には貯金も思うように進まないでしょう。

給料から天引きが行われる財形住宅貯蓄を利用できる場合には、受け取る給与から自動的に差し引かれるこの制度を利用することでマイホームの頭金を確実に貯めていくことができます。元利合計500万円までは利子非課税ですし、1年以上積立期間が継続し残額50万円以上の場合には「財形住宅融資」を受けることも可能です。ただし住宅取得や増改築以外の目的で引き出してしまうと、非課税等優遇措置が受けられなくなります。

もしも勤務先で財形住宅貯蓄を扱っていない場合には、銀行口座から自動積立が行われる預金制度などを利用して強制的に引き落としされる方法を用いて貯金することで貯めていくことができます。自分の生活や仕事のスタイルにあった貯金方法を活用しながら頭金を貯めていくようにすると良いでしょう。

両親から資金のサポートがある場合

現在は昔とは違って核家族が主流となっており、住宅購入のための資金の援助を両親から受けるというケースもよく耳にする事例です。とてもありがたい話ですが、親から貰った住宅購入のための資金は贈与金に該当します。贈与金であるということは通常であれば贈与税の対象となりますが、この費用にかかる課税を相続発生時まで延ばすことができる制度もあります。特に贈与税が発生すると税率も高くなるため、節税のためには上手く制度を活用するようにすると良いでしょう。

 

【著者 長岡 利和】


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