一戸建て住宅購入時に頭金はどうやって準備するか

マイホームを購入しようと思うと、自己資金がどうしても必要になります。これは、住宅ローンを利用することができる建物本体の購入価格以外に、印紙税や登録免許税、また地鎮祭や近所へのあいさつ回り、引っ越し、新居で使用する家具その他備品の購入などに必要となる付帯出費が多くかかるためです。

住宅ローンの審査の際にこれらの費用を多く見積もって、限度額近くまで借り入れを行うことも不可能ではありません。しかし、数万~数十万ほどかかると見積もったそれぞれの現金出費費用をマックスで35年間、しかも元金に対する数パーセントの金利を上乗せして支払うと、それだけでも大きな利息額になります。

○一戸建て購入の自己資金めやす
住宅の取得に必要な資金は前述したとおり、住宅ローンで賄うというのは一般的な考え。そして、自己資金は購入金額のおよそ2割程度が理想値といわれています。

●購入住宅によって必要な頭金は違う
分譲マンションや建売住宅、中古住宅、注文住宅など、購入する物件によって準備が必要な費用も変わってきます。
最も安く購入できるのが中古住宅と考えられていますが、物件価格は低くても、前所有者との間の権利関係書類や、物件紹介にかかる手数料・仲介料など、新築住宅取得に必要がない費用も発生し、これらは現金でしはらうのが通例です。
マンションなどは、「頭金10%~購入可」などという広告を見ることもありますが、これは、売買契約の締結時の手付、住宅ローン関係費や登記費用等のみで手前出費は収まり、そのほかはおおよそローン実行と同時に決済がすむことからはじき出された割合とみることができます。

●新築一戸建てがもっとも頭金を要する
もっとも諸費用が高くなるのが、注文住宅購入。支払時期の関係から考えれば、要所で自己資金を必要とすることが多くなるからです。
まず土地と建物は別の不動産ですから、それぞれに諸費用が掛かります。そして、工事の設計・着手にかかるお金は手前から支出しなければなりません。
住宅ローンで支払うから大丈夫…というのは現実的に難しいでしょう。というのも、住宅ローンの実行は、建物が完成して保存登記が完了した時に初めて融資が行われるからです。
住宅ローンを以て、頭金0円で家を購入するという方法を紹介するものもありますが、住宅ローン決済のタイミングと、登記やそれまでの細かな必要支出をそつなく行うためには、やはり自己資金の準備を前向きに検討したほうがいいでしょう。

【著  者   長 岡  利 和】


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