現金一括でマイホームを購入する場合は必要ありませんが、そのような人は正直稀でしょう。多くの人が金融機関で住宅ローンの申請を行い、向こう何十年かにかけて返済を行うこととなります。
住宅を買ったその翌年には、忘れずに確定申告を行いましょう。確定申告することで住宅ローン控除の減税対象となります。
〇住宅ローン控除とは
マイホームを購入して借り入れを行った人は、年末の住宅ローン残高の1%に当たる税金を10年間取り戻すことができるという国の減税制度です。ただし、購入額満額分に対してではなく、一般住宅では戻り最大400万と決まっています。
●確定申告が必須
マイホームを購入した年の翌年に、初年度だけ確定申告をする必要があります。特にサラリーマン世帯は会社で年末調整をするため、確定申告経験がないという人もいるでしょう。しかし、銀行から送られてくる年末残高証明書と10年分の申告書類、その他必要な書類さえそろっていればさほど難しいものではありません。
〇確定申告の手続き方法
毎年2月16日~3月15日の指定期間中に、確定申告の受付が管轄税務署で行われますので、この期間中に書類提出を以って手続きを行います。還付対象申告は1月から受付を開始しますので、受付が混雑する前に必要書類は早めにそろえて準備しておきましょう。
●住宅ローン控除申請の確定申告必要書類
まず、住民票(居住自治体役所)と購入不動産登記簿謄本(法務局)が必要です。そして、サラリーマンは年末に会社からもらう源泉徴収票の原本を準備しておきます。
そして、住宅ローン取引をしている銀行から発行される借入金残高証明書、売買・請負契約書の写しが必要です。
●確定申告書類の入手
申告時期になると、各税務署で確定申告書類一式を配布しています。この書類に記入するかまたは、国税庁ホームページの専用フォームがありますので、これに入力してプリントアウトする方法でも可。
国税庁のサイトでは、ガイドラインに沿って、指定の欄にそれぞれの書類を見ながら入力すると、申告額が自動計算されるのでとても便利です。
●確定申告の書類提出先は
最寄の管轄税務署に、記入または入力後プリントアウトした確定申告書を提出します。各署で専用窓口を設置しているので、受付に提出すれば完了です。税務署にいく時間がないという人は、封書で郵送してもOKです。
〇住宅ローン控除申請を完了したら
購入初年度は、住宅ローン控除申請のための確定申告書に記載した指定金融機関に還付金が振り込まれます。購入二年目以後、会社で年末調整をするサラリーマンは確定申告の必要はなく、年末調整時に住宅ローンの残高証明書を提出して会社を通して手続きします。毎年確定申告を行っている自営業者は、例年の確定申告と合わせて10年間住宅ローン控除を申請します。
特に購入額が大きくなる住宅関連の減税は、住宅ローン減税のほかにもさまざまです。毎年の景気や政策によって変わりますので、ご自身の家を建てるとき、またリフォームするときは、控除や減税に関する情報も調べてみるとよいでしょう。
【著 者 長 岡 利 和】