審査に通りやすい状況とは
住宅ローンを利用するためには審査があって、誰でも利用することはできません。借入要件ギリギリの場合などは、審査になるべく通りやすい属性などを確認して事前準備してから申し込むほうが良いでしょう。
年収などが少ない場合には、住宅ローンを利用することができないかもしれないと不安になることもあるでしょう。住宅ローンの審査項目は多岐に渡っており、申し込みを行った人の属性や担保となる不動産の価値や質などから総合的に判断されます。
利用できるかは最低年収によって判断
住宅ローンを利用できるかどうかについては、金融機関にもよりますが最低年収200~300万円の場合が多いようです。銀行によっては400万円のところもあります。自営業者などで節税のために所得金額が少ない場合など、利用することが難しくなるでしょう。
返済額は年収負担率を基準に決定
住宅ローンの限度額は年収などの所得金額によって決まります。そして返済額は年収によって一定割合以内と決まっています。目安となるのは年収負担率ですが、「年間返済額÷年収」で計算されます。銀行によって差はありますが、年収250万円未満であれば25%以下、年収250万円以上400万円未満でれば30%以下、年収400万円以上でれば35%以下であることが多いようです。そして年間返済額を計算する際に用いられる金利は審査用の金利が用いられます。4%ほどの金利を用いて計算されることが多いようです。
勤務形態や勤続年数も重要
年収だけでなく、勤務形態や勤続年数も個人の属性で重要視される部分です。収入の額はもちろんのこと、その収入をどれほど安定して得られる状態かということも重視します。そのため、勤務形態が契約社員などの場合は継続性に不安があると判断されてしまいますので、正社員でなければ住宅ローンを利用することは難しいでしょう。
また、収入の安定性という部分では勤続年数も大きく関係します。一般的には勤続3年以上が目安となりますが、同業種にキャリアアップした状況で転職した場合には、勤続年数が短期間であっても利用できる場合もあります。
そして公務員や大企業に勤務している場合は収入の安定性は高いと判断され有利になります。自営業の場合は、収入の安定性という部分が不透明なこともあり、過去3年間の所得を審査の対象として判断されます。所得が毎年大きくブレ手いる場合には一番所得の低い年度で審査される場合もありますので、安定した所得が得られるようにしましょう。
生命保険の契約も加入要件
借入れ要件として「団体信用生命保険(団信)」などの生命保険に加入することを条件としている場合がほとんどです。返済期間が長くなる住宅ローンの借入れ分を、今後返済していくことになるため生命保険に加入できる健康状態であることが重要視されます。
団体信用生命保険に加入できなくても、金融機関によっては引受条件緩和型の団体信用生命保険を取り扱っている場会いもありますし、団体信用生命保険に変わる生命保険であれば大丈夫な場合もあります。
団体信用生命保険を加入条件に含まない住宅ローンの場合は、万が一契約者が亡くなった場合には引き続き残った遺族が返済していくことを条件としています。
住宅ローンで大切なのは年収だけではない
住宅ローンの審査には様々な項目が準備されており、それらを総合的に見て判断されます。不利な条件はできるだけなくして、少しでも審査が有利に進められるような状態で申し込みを行うことが望ましいでしょう。
【著者 長岡 利和】