親から貰ったマイホーム資金は贈与税がかかる?
実家のすぐ近くにマイホームを建てたり、家族が増えることで増改築を行うという場合もあるでしょう。その際に両親などから援助してもらうというケースも良く耳にします。両親や祖父母などの直系尊属から住宅を取得するための購入費用、建築費用、増改築費用、リフォーム費用などの住宅購入資金を貰った場合、一定金額までであれば非課税になります。
マイホーム購入のための援助を受けることがえきれば、住宅ローンを組む際にも借入総額を減らすことができます。そして非課税措置があることで、高額になりがちな贈与税を回避できるは魅力的な措置でしょう。ただし適用されるためには、要件をクリアする必要があります。
非課税措置が適用されるための要件
住宅取得資金を両親や祖父母などの直系尊属から受け取る者が、次の①~④の全ての要件に該当する場合は、非課税の特例対象となります。
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次のいずれかに該当すること
・贈与を受けた時日本国内に住所がある場合
・贈与を受けた時日本国内に住所はないけれど、日本国籍であり、譲る者もしくは譲られる者が5年以内に日本国内に住所があった
・贈与を受けた時日本国内に住所・日本国籍もないけれど、譲る者の住所が日本国内にある場合
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贈与を受けた時贈与者の直系卑属である(直系卑属の配偶者は含まれません)
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贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上である場合
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贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下である場合
良質な住宅用家屋とは
住宅取得資金を両親や祖父母から援助してもらった場に発生する贈与税の非課税枠は、500万円だった非課税枠でしたが、幾度と特例適用期間延長や制度改正を繰り返し平成24年からは「良質な住宅用家屋」と「一般の住宅用家屋」に分類され、非課税限度額に差をつけています。
「良質な住宅用家屋」であれば非課税枠が拡大されます。「良質な住宅用家屋」とは断熱等性能等級4相当以上、耐震等級2以上もしくは免震建築物であること、一次エネルギー消費量等級4以上であること、高齢者等配慮対策等級3以上であることとなどこれらのいずれかを満たす住宅のことを言います。
契約日、贈与日と非課税枠の関係に注意!
平成26年までは非課税枠が適用されるのは贈与を受けた日が属する年かどうかが判断の基準でした。しかし平成27年からは購入・建築・増改築といった契約日が基準となりました。そして贈与を受けた年の翌年3月15日までに入居すること、もしくは入居できることが確実な状態であることが条件です。平成28年中に贈与を受けた場合には、平成29年3月15日までに入居が完了する状況でなければ適用されませんので注意しましょう。
非課税枠は繰り返し利用可?
新築でマイホームを購入する際に、住宅取得資金の贈与を受け非課税の特例を受けたとします。そして再度リフォーム工事を行う時には、前回使用しなかった非課税枠の残りのみが非課税の特例の適用となります。
ただし、平成21年から平成26年の間にこの非課税の特例が適用されている場合には、規定により平成27年以降の制度は利用できません。
住宅取得のための資金を援助してもらったら
住宅取得等資金の贈与を受けた場合には特例によって非課税枠の適用が受けられます。ただし受けることができる要件をクリアする必要がありますので確認しておきましょう。また、この特例を受ける場合には贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日の間に贈与税の申告を行う必要がありますので忘れずに申告を行うようにしましょう。
【著者 長岡 利和】