固定資産税の評価・算定を行ううえでの問題点は

固定資産税は、それぞれの市町村が算定して税額算出する地方税です。固定資産税を納付する際に、併せて徴収する税金、都市計画税もありますね。
 土地の固定資産税にかかる評価は、その時々の実勢価格に沿って算出した評価税額が基本となります。建物は、減価償却と再建築した場合の調達価格を軸にして、その建物自体の価値が見えやすく、また計りやすいですが、土地は劣化も償却もない不動産です。それゆえに、価値の算定や税金についての問題点も多いようです。

○土地の評価と固定資産税

 固定資産税は、前述したように市町村が不動産所有者に対して課税する地方税ですが、その税額を決める元となっている固定資産税評価額は、三年に一度の評価年度に見直しを行う仕組みになっています。
●固定資産税を決める評価の基準に問題点が
 土地の評価はどのような条件によって決まるでしょうか。たとえば、漠然の人気のある住宅地であったり、道路の整備がすすんでいたり、静かですごしやすい場所は、家を建てようと思っている人にとってはとても魅力的に感じるかも知れません。事業を展開したい企業にとっては、駅に近く人通りの多い、開発が進んだ場所を好むでしょう。
 このように、土地の評価は、道路の状況や公共施設、宅地の用途という条件をもとに、その条件に似通った場所を区分けして、その地域の中から選んだ「標準宅地」を対象にして行います。
 この標準宅地に、その土地ごとに必要な補正を入れて標準額を算定しますが、この条件がなかなか明瞭に判断できないというのが、ひとつの問題点として挙げられます。地域ごとの標準宅地に沿わせる前提がかけ離れている宅地、これから開発が行われる予定の宅地が、どのようの補正条件をあてがっていくかが、一見しても判断しづらいため、多くの人が問題点すら感じていないというのが現状でしょう。
●評価替えの間隔と市場の価値の相違
 土地の評価替えは、三年に一度の見直しが通常のサイクルです。三年間といえばそれほど長くない、評価そのものが大きく乱高下することもないだろうと思われがちです。しかし、三年前の評価から三年後の評価に変更する基準の市場価格は、前年年初めの公示価格です。
 三年前の評価から、三年後の評価を行う間の土地取引情勢や、その土地の価値が変動するきっかけになりそうな時勢的条件は、ほぼ加味されません。
 景気や風潮によって、三年間の間に価値が変わり始めるタイミングや、下落に転じるタイミングがあります。しかし、基準は1月1日時点の公示価格なので、その後の三年間は価値が下がり(上がり)続けているのに同じ税額を支払うという事態になります。

 三年という期間と、その基準となる日の価格によって、後三年間の納付金額が決まる。という現在の固定資産税額算出方法には、諸所さまざまな問題点があるのかもしれません。
 


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