マイホームは、はじめこそ新品の雰囲気を長続きさせようとがんばって掃除をしたり、壁や水周りを傷つけまいと躍起になったりしますよね。しかしその努力も、長くて本の数年間。毎日生活する場所だからこそ、家の中ですごす時間が長くなり、そのために少しずつ生活汚れや傷が目立ってきます。
マイホームを長く安全、健全に維持していくために、およそ10年サイクルで家のあれこれを考え直すことを意識しておくと良いですよ。10年後を想定して、何を考えてどう動くのがいいのか。それにはいくつかのポイントがあります。
○日常使いで老朽が早い 10年後の内装を考える
いつも家族が集うリビングをはじめとして、キッチンやトイレ、お風呂など、生活に深くかかわっているスペースほど、早く汚れて傷がつき、設備も故障や不具合が出やすくなるのは想像がつきますね。
●設備以外にも注目 10年後の内装は
新築や建売新古住宅を買った家族は、その新しさに優越感と満足感が高まるでしょう。しかし、その家が10年たったときに、まず家に入ってもっとも古くなったと感じさせるポイントがあります。それが、壁紙です。
濃い目の柄入りクロスであれば、さほど汚れも目立ちにくいですが、家全体を開放的に、明るく過ごしたいというニーズが高まっている最近は、濃い目のクロスが敬遠されがち。淡い色の薄めなクロスは、小さい傷や手垢、こすれた色移りが非常に目立ち、わずかな汚れが家の古さを強調してしまいます。
10年後には、家の内装(目立つ部屋からでいいと思います)張替えを、一気にではなく徐々に始めましょう。それもリビングから玄関周りにかけて行うと、家に入った印象が新しく感じられます。
●特に水周りはメンテナンス要
配水管の老朽化や蛇口の甘さ、緩みが10年後ともなると、いたるところで出てきます。キッチンコンロのIHや、換気扇も消したりつけたりを繰り返すうちに、なんだか調子が悪いな…と思うことが増えてくるでしょう。
もっとも注意したいのがお風呂です。システムバスの立て付けや排水、床の傷が原因で水漏れを起こしていませんか?床の割れやヒビがあると、床下に水が漏れて湿気がたまり、木造住宅は腐食の原因となります。
システムバスそのものは非常に頑丈に、防水も充分に作られていますが、10年というときの経過で不具合が出てくる可能性は充分にあります。
○外壁や軒のヒビわれをチェック
10年間雨や風にさらされて家族を守った家の要は、やはり外壁でしょう。家の全てを守ってきた外壁の痛み具合や、ヒビわれなどを確認しておきましょう。ヒビが大きくなるとその部分から(横殴りの雨が降れば)雨水がしみこむ可能性があります。
明り取りで屋根や上階部に小窓をつけている場合、その桟やフレームのゆがみ、劣化もチェックしておきましょう。
家を快適な空間にしておくためには、10年後も変わらずすごせるようなメンテナンスを、こまめに先手を打って行っていくことがとても重要です。計画的にメンテナンスを行っていきましょう。
【著 者 長 岡 利 和】