JR中央線の利用方法が変わるかも 運行本数に変化が

毎年3月から4月は、仕事や学校に通う人や、就職・進学をする人にとっては、生活リズムが変わるタイミングといえます。
もちろん、毎日目指す場所が変わるというリズムもありますが、通勤通学でバスや電車を利用している人は、「ダイヤ改正」にも注目しているでしょう。
今年3月、定例のようにJR中央線でもダイヤ改正が行われました。例年はさほど大きな変化も無いように見受けられていましたが、今年はちょっと様子が違います。

○中央線の本数が減っている!
東京都心部にむけて長距離運行を行うJR線は、歓楽ビジネス街から程遠い住宅圏に住む人にとって、日常の脚のような役割を担っています。都営線や私鉄、地下鉄に隣接している中央線の利用者は一日でのべ数万人。
その人たちの家を出る時間を、大きく左右するのがダイヤ改正、もはや首都圏に通う人たちの生活そのものを左右しているといってもいいでしょう。

●朝晩のラッシュ対策に特化 本数が一部減少
地方に住む人でも、都心部の通勤ラッシュの映像は毎日、何かしらのニュースで垣間見ることができるため、その混雑振りも想像しやすいでしょう。毎日利用している人にとっては、ルーティンとはいえ辛い時間です。
そこで中央線の本数が一本減れば、どれくらいの利用客に影響が出るか。考えただけでも恐ろしいですが、実は朝晩の通勤時に、それも局所的な利用客の混雑対策として、一部運行本数を減らしてシフトするというダイヤが今回組まれています。

●長距離乗車人口が減っている中央線
東京オリンピックに向けて、大々的な都市開発が進行中の東京ですが、これまでの人口増とは少し違った動きを近年見せています。
かつては、「できるだけ都心に近くて、物件が安い場所にマイホームを建てる」という目標を持った世帯が、郊外に一戸建てを立てたり、少しでものどかにゆったり住まえる間取りの物件を求めたりする傾向がありました。
しかし、近年人口が急増しているエリアは、まさに都心近郊部。しかも単身者向け物件に人気が集中しています。そのため、郊外近辺から通勤をするマイホーム世帯の利用者が年々減少しているという統計から、長距離となる沿線の本数を減らすダイヤとなったのです。

●減少本数はデイリータイムが主
それでも、通勤時間帯の本数が大幅に減ったわけではありません。10時を過ぎるころには、中央線とはいえ座席に座って乗車することができるほどのゆとりが出てきます。この時間帯の本数を減らして、整備を進めた結果、昼の11時台と15時台にそれぞれ1時間6本程度の運行が最少本数となりました。
都心部でここ数年人気のある居住エリアは港区、千代田区、中央区で、勤め先にとても近い場所に住まいを構える都心回帰現象が起こっています。中央線の他の時間帯と比べれば、一時間の運行本数が6本という数字はとても少なく見えるのかも知れません。
でも、10分に1本くる計算だと考えると、他のエリアに住む人から見れば、とても多く感じられるかもしれませんね。

【著  者   長 岡  利 和】


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