一生に一度、買うかどうかを迷うほどの人生を掛けた買い物、それがマイホームでしょう。マイホームに求めるいろいろな条件や理想を考えていると、それだけで何時間、何日と思いをめぐらせられるほど、決断をするためのポイントがたくさんあります。
しかし、理想と否定の一進一退を繰り返していては、決まるものも決まりません。特に、建売や中古住宅は、その時々で物件や市場動向が変化しています。これだと思う物件を品評している間に、他のお客さんが契約してしまった…ということも現実によくある話です。
○モデルルームでプラン即決の必須ポイント
マンションモデルルームや住宅メーカーのモデルハウスを見ていると、マイホームが欲しい人なら、そこに住まう自分を創造して気分が高揚してしまうでしょう。
ただ、つくりはそのままに建設されるかもしれませんが、実際にすむ場合に今見ているモデルルームと何が違うかを、まずは考えて見ましょう。
マンション建設予定地と、各階ごとの条件や周辺建物、交通量やエントランス、駐車場が購入後の生活に大きくかかわります。これらの条件がクリアできていれば、手付けをいれて即決もアリでしょう。
○建売・中古マイホームなら立地クリアで即決も
建売住宅や中古住宅は、その現物を見て購入を決めることができるが大きなポイントですが、問題は場所です。その建物が建っている場所に住む、という生活が現実的に想像できるかどうか。ここは譲れないポイントとして慎重になりましょう。
建物は改善の余地がありますが、土地の立地だけはどうにもなりません。少しでも立地に不安や不満があれば、見送ったほうがいいナシ物件と見たほうが賢明です。
立地に問題が無ければ、建物はリフォームや修繕で変えることができる部分もあるので、即決に踏み切ってもよいのではないでしょうか。
○構造の問題は建売・中古の即決ためらいポイント
現物購入が可能なメリットはありますが、購入したマイホームに構造上の問題があった場合、後の生活場所として充分に機能してくれません。欠陥住宅を購入して、長く争ったり大修繕を繰り返したりするのは本意ではないでしょう。
新築当時から、途中修繕をした箇所に至るまで、契約書等でしっかり内容確認し、構造に問題が無いことを確認しましょう。建売住宅なら、住宅会社やメーカーの情報と評判を調べておくと安心です。
○マイホーム予算内なら即決アリ
良い理想的な家を見ると、ついつい舞い上がってしまい、気も大きくなりがちです。そして、購入段階で多少の無理を覚悟するような価格なら、即決はナシです。
日常生活を圧迫して、向こう数十年もの間ずっと「多少の無理」を続けていくことはとても難しく、現実的ではありません。
少し余裕をもてるほどの予算組みをして、このラインは超えないという予算をしっかり肝に命じておきましょう。もちろん、予算に充分合致する物件なら、即決してもいいかもしれません。
○注文住宅はじっくりと
これから家の設計をスタートする場合は、マイホームプランを練る時間をあせる必要はありません。家族・一人・三世帯など住人の構成や必要な設備、間取りなどを考えながら、より理想に近づけていくために、納得のいくプランを作りましょう。
【著 者 長 岡 利 和】