マイホームを所有していると、老後の住まいに心配が無いから。
こんな理由で、住宅を購入する人もいます。賃貸物件を駆り続けることを考えると、住宅ローンの支払いが終わりさえすれば、毎月家賃並みにでも支払う住居費用が無くなるのは事実です。
しかし、マイホームにかかる費用は、住居本体価格だけではありません。修繕も必要になりますし、何より忘れてはならないのが固定資産税(都市計画税)の存在です。
○固定資産は税額0にはならない
木造住宅でおよそ20年強、鉄筋造りの住宅で47年間の減価償却が基本となるのが固定資産税です。中古住宅でも、償却期間を超えた住宅物件のほとんどは、資産価値ナシとして土地に見込める価格によって販売することもあります。
しかし、この償却(耐用)年数を超えたからといって、固定資産税は0になりません。
実際にすむことができる資産があるという事に対して、1割に満たない程度の固定資産税は課税されます。(ただし建物部分の価値が20万円に満たない場合には免税点あり)
○老後の過ごし方と固定資産の扱い
少子高齢社会といわれる時世に、不動産を活用した老後対策に注目が集まっています。リタイア後の生活費用を確保するために、賃貸物件に投資をしたり、都心部から農村部(過疎地)へ移住したりして、ライフスタイルそのものを大きく転換する方法です。
●賃貸物件への投資と固定資産の取得
自分が住まう家の払いも落ち着き、子どもたちも独立した後に、賃貸物件オーナーになって、老後の生活資金を家賃収入でまかなうというプランが活発化しています。
ただ、退職した後に賃貸事業を開始すると、後の物件資金ローンの審査が難しくなるのは仕方が無いでしょう。ローンは一定の収入が有る人に対して、そのローン申し込み期間中飛ばすことなく支払うというのが大前提です。
そこで、老後のためだけではなく、子孫世代への譲渡も考慮した二世代ローンに申し込むというのも選択肢の一つとして考えておくと良いでしょう。
●マンションオーナーになる方法も
近年、都会都心部の単身マンション取り扱いの引き合いが非常に大きいという特徴があります。そこで、ファミリー向けの郊外型アパマンも魅力ですが、中心部にあるマンション物件を購入して、単身者に貸し出す(不動産オーナー)という方法で家賃収入を得ることもできます。
ただし、仮に集合住宅を賃貸目的で購入し、またマンションを同じく所有した場合に、その物件に空室があれば、家賃見込み額が減り、ローンの返済に直結する問題になります。
○固定資産の取得と老後税金は専門家へ
土地建物を所有していれば、固定資産税の支払いや、住宅の活用と運用など、老後に向けてマイホームや土地は様々な問題に向き合わねばならなくなります。
健全な計画を実行できるように、固定資産と税金、運用方法など、専門家にしっかり相談してみましょう。
【著 者 長 岡 利 和】