固定資産税額で自宅の真の価値がわかる?

固定資産税と都市計画税の算定をするために、新築物件の引渡しが完了した直後、市町村の担当者が自宅の内覧(税額算定のための実地調査)に訪れます。
どんなポイントを見て税額が決まるのか?詳しく理解できないところも多いでしょうが、大まかに基準となる算定ポイントを知っておくといいでしょう。
自宅の価値と本体価格にズレが…?この不安も解消しておきましょう。

○自宅の固定資産税 木造か非木造か
最近は頻発する地震の影響なのか、鉄筋コンクリート造の個人宅が増えてきている様に感じます。一昔前は、鉄筋コンクリート造住宅といえば、近所の公民館やビル関係の大型建物を連想させていましたが、最近は自宅として使用する建物としても、しっかり認知されてきています。

●税額がなかなか下がらない?非木造住宅の固定資産価値
固定資産税は、一度決まればずっと普遍というわけではなく、経年数によってその価値が下がり、税額も下がると考えるのが一般的です。
木造の場合は、自宅が立つ場所(積雪や寒冷地)の気候に応じて、減点補正率が定められています。非木造(鉄筋造等)も同様の決まりがありますが、この建築地別の減点補正が木造の場合よりも補正率が小さくなります。
また、建物の耐用年数も非木造建造物のほうが長く(木造は25年程度、鉄筋コンクリートは60年)その減価償却が長くなります。
よって、資産価値の下がり具合が緩やかとみなされ、固定資産税の評価も同じ経年数の木造と比べて高くなりがちです。そのため、非木造の住宅のほうが、固定資産税が長期にわたって高くなる傾向があります。

○固定資産税額の算定に契約書面が必要?
市の担当者が自宅の実地調査に来るときに、あらかじめ設計図や登記簿、契約書を準備して置くように言われることがあります。
設計図があれば、建築許可を受けた自宅の構造部分を一目で確認することができるのはわかりますが、契約書を見せる事に抵抗がある人もいるでしょう。

●売買契約書は固定資産税評価の算定に関係ある?
固定資産税は市町村税なので、調査を行う自治体によって、そろえるように言われる必要書類も異なるようです。とはいっても、契約書の準備をする様に言われると、それが絶対に必要なのか?と考えますよね。
実際には価値算定に基づいて固定資産税評価額が決まりますが、この評価は市場価格の50~70パーセント程度になるのが通例です。
ただ、売買契約書を準備して、調査員がその購入価格を確認するわけではありません。
契約書を見るケースでは、その契約を締結した所有者と、移転登記がなされているかの確認をするのが目的でしょう。
1月1日時点の所有者に対して、固定資産税は課税されます。登記が済んでいなければ、実際の起算時点の所有者となる人に対して、課税をしなければならないので、その確認をするという意味で納得がいきますね。
自宅の評価が正しく行われ、正当な評価額に基づいて固定資産税が課税されるように、所有者の立場としては、立会って不明な点をキチンと確認してはっきりさせておくのがベストです。
目視で確認するということを鑑みれば、大まかなアウトラインは統一しているとはいえ、主観がからむのではないかという印象もあるでしょう。
不安な要素は持ち越さず、言いなりになるのではなく、担当者と一緒に立ち会って確認すると、構造や梁、設備の評価ポイントがクリアになり、更に自宅の価値を総点検するきっかけとなりそうです。

【著  者   長 岡  利 和】


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